NETニュースNO.929 政府・人事院に夏季要求書提出


長時間労働の是正はまず公務職場から実施せよ

= 内閣人事局と人事院に公務労組連16年夏季重点要求を提出 =

 公務労組連絡会は6月17日、内閣人事局と人事院に対して16年夏季重点要求書(別掲)を提出しました。要求提出交渉は、川村事務局長と米田・杉本の各事務局次長で行い、内閣人事局は西山参事官補佐外1名が対応し、人事院は渥美主任調査官が対応しました。

民間に先んじた配偶者手当の改悪は断じて認められない

 提出にあたって公務労組連絡会側は以下の各点を強調しました。

○ 安倍首相は、消費税の10%引き上げの2年半延期を表明したが、実質消費支出が2014年、2015年と2年連続でマイナスになったことに象徴されるように、個人消費が落ち込んでいるから増税できないことは当然のこと。その最大の要因は、実質賃金が改善していない点にある。

○ 公務員賃金は、770万人の労働者に影響するとの分析があり、消費を拡大し、景気を刺激するためにも、公務員賃金の大幅改善が必要だ。地域間格差を広げている地域手当の見直しと「給与制度の総合的見直し」は中止するよう求める。

○ 「骨太方針2016」や「日本再興戦略2016」では、「国家公務員の配偶者に係る扶養手当については、人事院に対し検討を要請しており、その検討結果を踏まえ、速やかに対処する」としているが、断じて認められない。手当の受給者にとっては労働条件の不利益変更であるし、府省アンケートでも人事管理に影響するとの声があるように公務能率を阻害する。労使合意もなく、民間企業に先んじて行う筋合いのものではない。撤回するよう求める。

○ 政府は「ニッポン一億総活躍プラン」を策定し、「4割を占める非正規労働者の待遇改善は待ったなしの重要課題」として、「同一労働同一賃金」や最低賃金1000円をめざすこと、長時間労働の是正で「国家公務員の取組促進」などを打ちだしている。これらは、「日本再興戦略2016」でも掲げられている。

○ 非常勤職員の処遇改善について、春闘期にも強調したが、公務職場で働く労働者の最低時給をただちに1000円以上に引き上げるよう求める。また、人事院は5月の公務員白書において「非常勤職員が公務遂行にとって欠くことのできない役割を担っている」と指摘しているが、それにふさわしい処遇、休暇制度や諸手当などの常勤職員との均等待遇が必要だ。同時に、従来から強調しているように3年一律の雇止めや公募要件はやめて、無期雇用とするよう求める。政府として非正規労働者の待遇改善が必要というのなら、まず、この点の実現を求める。

○ 時給1,000円とすると月額では167,000円となる。最低賃金を仮に3%引き上げると東京や神奈川では930円超となり月額では16万円を超える。Ⅲ種初任給の改善を強く求める。

○ 公務での長時間過密労働の最大の要因は人が足りないことにある。そのもとで、メンタル不全など健康破壊も深刻になっている。熊本地震対応の不十分さも公務員の不足が指摘されているが、連年の人員削減のもとで日常業務さえも支障をきたす状況である。国民・住民のいのちと財産、安心・安全を確保するためにも、正規公務員の大幅増員を求める。

○ 勤務時間の柔軟化などの「働き方改革」では長時間残業の根本解決にはならない。「ゆう活」やフレックスタイム制は一部の職員のニーズにはあうかもしれないが、勤務時間管理の業務を増大させるとともに、業務実施体制を脆弱にするなど、公務能率を阻害する。「ゆう活」やフレックスタイム制は中止するよう求める。

○ 雇用と年金の確実な接続について、来年度末の2018年3月の定年退職者は年金支給開始年齢が63歳となる。少なくとも今年度内に対応方針を決めなければ予算要求に対応できない。雇用と年金の確実な接続を行うためには、定年延長以外にはなく、今年3月の定年退職者の再任用状況を明らかにし、直ちに具体化に向けた協議を開始するよう求める。

 内閣人事局と人事院は「本日、要求書を受け取った。担当者に伝えてしかるべき時期に回答する」と回答。川村事務局長は、「今日は、要求書の提出であり、詳細な主張は中間交渉の際に行うこととするが、政府が国民や企業に対して提起している賃上げや非正規労働者の処遇改善、長時間労働の是正、高齢者の就労促進などの政策こそ国の行政現場で実施し、民間に範を示す必要がある。一方、民間を先導する配偶者扶養手当の改悪は認められない。重点要求について、次回の交渉までに十分な検討を行うよう求める」と述べました。

以 上

(別掲)人事院・政府に提出した要求書

2016年6月17日

人事院総裁 一宮 なほみ  殿

公 務 労 組 連 絡 会
 議長  蟹澤 昭三

公務労組連絡会2016年夏季重点要求書

 2016年春闘で民間労働組合において若干の賃上げはあったもののアベノミクスや消費税率引き上げなどによる物価の高騰に追いついておらず、労働者・国民の生活は一向に改善していません。また、公務労働者も「給与制度の総合的見直し」によって賃金が抑制され、生活は悪化の一途をたどっています。
 こうしたもと、公務労組連絡会は16春闘において、物価上昇を踏まえた最低限の生活改善要求として、平均20,000円(4.9%)以上の賃金引き上げを柱に臨時・非常勤職員をふくめたすべての公務労働者の賃金改善を強く求めてきました。
 しかし、人事院から示された春闘期の回答は、「情勢適応の原則に基づき、必要な勧告を行う」という従来の域を出ないきわめて不満な内容にとどまりました。
 現在、安倍政権も「消費拡大を通じた景気回復」や「同一労働同一賃金」など、賃金格差の是正にまで言及しなければならない状況です。人材確保や景気回復のためにも約770万人の労働者の賃金に影響を与える公務労働者の賃金を大幅に引き上げることが求められています。
 人事院としても労働基本権制約の代償機関としての役割を果たし、公務労働者の生活を改善するとともに、公務労働に対する誇りと働きがいを持てる職場をつくるために全力をあげることが求められています。
 以上のことから、公務労組連絡会として下記のとおり夏季重点要求をとりまとめましたので、貴職が誠意ある回答を行うよう強く求めます。

1、賃金の改善等について
(1)公務員賃金を大幅に引き上げ、職員の生活と労働の実態にふさわしい水準に改善すること。
(2)民間初任給との格差を是正するため、行政職(一)一般職高卒初任給(1級5号俸)を170,000円、一般職大卒初任給(1級25号俸)を202,100円に引き上げること。
(3)再任用職員の賃金について、職務と生活実態に見合うよう大幅に引き上げること。
また、一時金の支給月数を改善するとともに、生活関連手当についても支給対象とすること。
(4)一時金(ボーナス)について、比較対象職種を行政職(一)相当職種に見直すなど現行比較方法を改め、年間支給月数を改善すること。勤勉手当の割合は縮小すること。特別給の上下格差縮小の観点から管理職加算制度、役職傾斜支給を見直すこと。
(5)俸給と手当の配分に当たっては、以下の点を踏まえるとともに、労働組合との十分な交渉・協議の上で行うこと。
① 俸給表改定は、初任給近辺の官民較差解消を重視するとともに、すべての級号俸で改善すること。
② 諸手当について、次の事項を実現すること。
1) 扶養手当の支給額を引き上げるとともに、支給範囲を改善すること。
2) 住居手当の全額支給限度額・最高支給限度額を引き上げること。
3) 地域間格差の縮小、支給地域の拡大など地域手当を改善すること。
4) 単身赴任手当の支給要件・支給額を改善すること。
5) 職員に自己負担を生じさせないよう通勤手当の支給要件・支給額を改善すること。
6) 寒冷地手当の級地区分や指定基準を改め、支給額等を改善すること。
7) 業務の実態に見合うよう、特殊勤務手当を改善すること。
8) 特地勤務手当の支給対象の拡大をはかるとともに、勤務や生活の実態に見合うよう、支給率等を改善すること。
③ 高齢層の賃金抑制をやめ、生活改善や意欲向上につながる改善を行うこと。
(6)初任給決定における経験年数調整について改善し、正当に評価すること。
(7)行(二)職員の賃金は、特殊性・専門性に見合った水準に改善すること。また、昇格の抜本改善をはかること。

2、非常勤職員の処遇改善について
(1)非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などをはかる法制度を整備すること。また、そのための必要な予算措置に向け意見を表明すること。
(2)専門的・恒常的な業務を担う非常勤職員を正規職員に転換する仕組みを整備すること。当面、定員管理の柔軟な運用をはかるとともに、非常勤職員の無期雇用化を実現すること。
(3)非常勤職員の学歴、経験年数及び職務内容等を踏まえ、常勤職員との均等待遇に向け、当面、以下の改善をはかること。
① 賃金の時間額を最低1,000円以上に引き上げること。
② 期末手当及び通勤手当の支給額を改善するなど諸手当を充実すること。
(4)非常勤職員の休暇を常勤職員と同等の制度とするとともに、以下の事項について早急に改善すること。
① 無給とされている休暇を有給とすること。
② 非常勤職員の忌引休暇、病気休暇、子の看護休暇について、6か月以上任用の制限を撤廃すること。また、年次有給休暇を採用時から取得できるようにすること。
③ 常勤職員と同様に結婚休暇、夏季休暇を制度化すること。
(5)年数一律の「雇い止め」を行わないよう各府省庁を指導すること。また、公募要件を撤廃すること。

3、労働時間短縮、休暇制度改善等について
(1)勤務時間管理を徹底するとともに、超過勤務の大幅縮減、総実勤務時間短縮、不払い残業根絶に向けた実効ある措置を講ずること。そのため、定員と業務量の関係について、公務員の勤務条件改善の観点から必要な意見を表明すること。
(2)所定勤務時間を「1日7時間、週35時間」に短縮すること。また、交替制勤務者の連続勤務時間を短縮し、勤務間隔を11時間以上確保すること。
(3)「フレックスタイム制」や早出勤務の実施等の一方的な勤務時間の変更は行わないこと。
(4)ディーセント・ワークの実現およびワークライフバランス確立の観点から、勤務時間および交替制勤務のあり方等について検討すること。
(5)超過勤務時間の上限規制を行うこと。また、全府省共通の窓口時間の設定を行うこと。
(6)制度の周知をはじめ、休暇・休業制度が利用しやすい環境を整備するよう各府省を指導すること。
(7)介護休暇制度の取得期間延長、所得保障の充実をはかるなど、介護のための両立支援制度を改善すること。
(8)短期介護休暇における要介護家族の定義及び範囲を見直し、拡充すること。
(9)子の看護休暇を子ども一人につき5日以上とし、対象年齢を引き上げること。
(10)育児休業の所得保障を充実すること。
(11)不妊治療を目的とした休暇を制度化すること。
(12)長期勤続休暇(リフレッシュ休暇)を新設すること。

4、健康・安全確保・母性保護等について
(1)心の病の発生を予防するため、「心の健康づくり」に向けた対策を充実・強化すること。
(2)ストレスチェック制度は、職員の自主性の確保、プライバシーの保護、及び不利益防止の措置を徹底するとともに、実施体制等を含め、労働組合との協議に基づき実施すること。また、実施にかかる十分な予算を確保すること。
(3)パワーハラスメントに対する指針を策定し、具体的な対策を講じること。
(4)産前休暇を8週間、産後休暇を10週間とし、産前6週間の就業禁止期間を設けるとともに、代替要員を確保すること。
(5)妊産婦の負担を軽減するため、軽易な業務への転換、勤務時間短縮などを行うこと。

5、民主的な公務員制度と労働基本権の確立について
(1)中立・公正な行政を確立するために、公務員の身分保障を形骸化させる動きに対しては、専門・中立的な人事行政機関の責務として毅然と対処すること。
(2)公務員の市民的・政治的自由を保障する観点から、国公法を改正し、人事院規則14-7(政治的行為)を廃止すること。

以 上

2016年6月17日

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
内閣官房長官 菅  義偉 殿

公 務 労 組 連 絡 会
 議長  蟹澤 昭三

公務労組連絡会2016年夏季重点要求書

 2016年春闘で民間労働組合において若干の賃上げはあったもののアベノミクスや消費税率引き上げなどによる物価の高騰に追いついておらず、労働者・国民の生活は一向に改善していません。また、公務労働者も「給与制度の総合的見直し」によって賃金が抑制され、生活は悪化の一途をたどっています。
 こうしたもと、公務労組連絡会は16春闘において、物価上昇を踏まえた最低限の生活改善要求として、平均20,000円(4.9%)以上の賃金引き上げを柱に臨時・非常勤職員をふくめたすべての公務労働者の賃金改善を強く求めてきました。
 しかし、政府から示された春闘期の回答は、安倍政権が「消費拡大を通じた景気回復」に言及しているもとで、「人事院勧告も踏まえ、国政全般の観点から検討」という従来の域を出ないきわめて不満な内容にとどまりました。
 政府として求められているのは、人材確保や景気回復のためにも約770万人の労働者賃金に影響を与える公務労働者の賃金を大幅に引き上げ、公務労働者の生活を改善するとともに、公務労働に対する誇りと働きがいを持てる職場をつくるなど使用者責任をはたすことです。さらには、多発する災害にくわえ、行き過ぎた規制緩和が招いた大事故や雇用不安などから、国民のくらしと権利、安全・安心をまもるために公務員の大幅増員をはじめ、公務・公共サービス、教育を拡充していくことです。
 以上のことから、公務労組連絡会として下記のとおり夏季重点要求をとりまとめましたので、貴職が誠意ある回答を行うよう強く求めます。

1、賃金の改善等について
(1)公務員賃金を大幅に引き上げ、職員の生活と労働の実態にふさわしい水準に改善すること。賃金の地域間格差の拡大や高齢層の賃金を抑制する「給与制度の総合的見直し」は直ちに中止すること。
(2)地方自治体・独立行政法人に対して賃金削減を押しつけないこと。
(3)民間初任給との格差を是正するため、行政職(一)一般職高卒初任給(1級5号俸)を170,000円、一般職大卒初任給(1級25号俸)を202,100円に引き上げること。
(4)高齢層の賃金抑制をやめ、生活改善や意欲向上につながる改善を行うこと。
(5)一時金(ボーナス)について、比較対象職種を行政職(一)相当職種に見直すなど現行比較方法を改め、年間支給月数を改善すること。勤勉手当の割合は縮小するとともに、管理職加算制度、役職傾斜支給を見直すこと。
(6)退職手当は、公務の特殊性に見合った制度・水準に改善すること。
(7)諸手当については、以下の事項を実現すること。
① 扶養手当の支給額を引き上げるとともに、支給範囲を改善すること。
② 住居手当の全額支給限度額・最高支給限度額を引き上げること。
③ 地域間格差の縮小、支給地域の拡大など地域手当を改善すること。
④ 単身赴任手当の支給要件を改善するとともに支給額を引き上げること。
⑤ 職員に自己負担を生じさせないよう通勤手当の支給要件・支給額を改善すること。
⑥ 寒冷地手当の級地区分や指定基準を改め、支給額等を改善すること。
⑦ 業務の実態に見合うよう、特殊勤務手当を改善すること。
⑧ 特地勤務手当の支給対象の拡大をはかるとともに、勤務や生活の実態に見合うよう、支給率等を改善すること。

2、非常勤職員の雇用の安定・処遇改善について
(1)非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などをはかる法制度を整備すること。また、そのために必要な予算を確保すること。
(2)非常勤職員について、非正規雇用から正規雇用への転換をはかること。当面、定員管理の柔軟な運用をはかるとともに、非常勤職員の無期雇用化を実現すること。
(3)非常勤職員をはじめ、公務職場で働く労働者の最低賃金を「時給1,000円」「日額8,000円」「月額170,000円」以上に引き上げること。
(4)非常勤職員の学歴、経験年数及び職務内容等をふまえ、期末手当及び通勤手当の支給額を改善するなど諸手当を充実させ、常勤職員との均等待遇を実現すること。
(5)非常勤職員の休暇を常勤職員と同等の制度とするとともに、以下の事項について早急に改善すること。
① 無給とされている休暇を有給とすること。
② 非常勤職員の忌引休暇、病気休暇、子の看護休暇について、6か月以上任用の制限を撤廃すること。また、年次有給休暇を採用時から取得できるようにすること。
③ 常勤職員と同様に、結婚休暇、夏季休暇を制度化すること。
(6)年数一律の「雇い止め」を行わないよう各府省庁を指導すること。また、公募要件を撤廃すること。

3、国の責任による公務・公共サービス拡充について
(1)公務員の総人件費削減は行わないこと。また、行政需要に見合う大幅増員を行うこと。
(2)総定員法を廃止するとともに、「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」を撤回すること。当面、定員管理の柔軟な運用により、職場実態に見合った要員等を確保すること。
(3)行(二)職の不補充政策を撤廃すること。
(4)「道州制」「地方分権改革」による事務・権限の移譲や国の地方出先機関の廃止は行わないこと。
(5)職員の雇用・労働条件を無視した国の機関や独立行政法人等の地方移転は行わないこと。
(6)地方交付税の「行革努力の反映」や「トップランナー方式」をあらため、住民本位の自治体運営に必要な地方交付税を確保・配分すること。
(7)公共サービスの劣化につながる指定管理者制度や「市場化テスト法」の廃止をはじめ、公務の民営化・民間委託を行わないこと。
(8)公共サービス基本法に基づき、国・自治体が委託・発注する事業で働く労働者の適正な労働条件を確保するため「公契約法」を制定すること。
(9)社会保険庁職員の分限免職を撤回し、安定した雇用を確保すること。
(10)独立行政法人について各法人の自主性・自律性を尊重するとともに、運営費交付金を拡充すること。また、組織の統合・改廃は行わないこと。

4、高齢期雇用・定年延長について
(1)早期退職慣行を廃止し、定年年齢までの雇用を保障すること。また、「天下り」についても廃止すること。
(2)雇用と年金の確実な接続をはかるため、定年年齢を段階的に65歳に引き上げること。
(3)65歳までの定年延長が完成するまでの間は再任用制度を併置することとし、以下の要求を実現すること。
① 再任用職員の定数は別枠とするなど、政府の責任で必要な定数を確保し、希望者全員のフルタイム再任用を保障すること。
② 賃金水準は職務と生活実態に見合うよう大幅に引き上げること。また、一時金の支給月数を改善するとともに、生活関連手当について支給すること。
③ 再任用後のポストや処遇に著しい格差を生じさせないようにすること。また、ポストや処遇の設定などについて、任命権者による恣意的な運用がおこなわれないようガイドラインを示すなど政府として責任ある対応をとること。

5、労働時間短縮、休暇制度など働くルールの確立について
(1)勤務時間管理を徹底するとともに、超過勤務の大幅な縮減、総実労働時間短縮、不払い残業根絶に向けた実効ある措置を講ずること。
(2)「ゆう活」は直ちに中止すること。
(3)所定勤務時間を「1日7時間、週35時間」に短縮すること。また、交替制勤務者の連続勤務時間を短縮し、勤務間隔を11時間以上確保すること。
(4)「フレックスタイム制」や早出勤務の実施等の一方的な勤務時間の変更は行わないこと。
(5)ディーセント・ワークの実現およびワークライフバランス確立の観点から、勤務時間および交替制勤務のあり方等について検討すること。
(6)超過勤務時間の上限規制を行うこと。また、全府省共通の窓口時間の設定を行うこと。
(7)制度の周知をはじめ、休暇・休業制度が利用しやすい環境を整備すること。
(8)介護休暇制度の取得期間延長、所得保障の充実をはかるなど、介護のための両立支援制度を改善すること。
(9)短期介護休暇における要介護家族の定義及び範囲を見直し、拡充すること。
(10)子の看護休暇を子ども一人につき5日以上とし、対象年齢を引き上げること。
(11)育児休業の所得保障を充実すること。
(12)不妊治療を目的とした休暇を制度化すること。
(13)マイナンバー制度は直ちに廃止すること。また、個人番号カードのICカード身分証との一体化は中止すること。
(14)国家公務員宿舎の廃止計画、宿舎使用料の値上げを中止・撤回するとともに、必要な公務員宿舎を確保すること。また、改善のための関連予算を大幅に増額すること。

6、健康・安全確保、母性保護等について
(1)心の病の発生を予防するため、「心の健康づくり」に向けた対策を充実・強化すること。
(2)ストレスチェック制度は、職員の自主性の確保、プライバシーの保護、及び不利益防止の措置を徹底するとともに、実施体制等を含め、労働組合との協議に基づき実施すること。また、実施にかかる十分な予算を確保すること。
(3)パワーハラスメントに対する指針を策定し、具体的な対策を講じること。
(4)産前休暇を8週間、産後休暇を10週間とし、産前6週間の就業禁止期間を設けるとともに、代替要員を確保すること。
(5)妊産婦の負担を軽減するため、軽易な業務への転換、勤務時間短縮などを行うこと。

7、民主的公務員制度と労働基本権の確立について
(1)憲法28条の原則に立った基本的人権として、ILO勧告など国際基準にそって労働基本権を全面的に回復すること。
(2)国家公務員制度改革基本法第12条にもとづき、国民の理解を得るために最大限の努力をおこない、早期に自立的労使関係制度を措置すること。また、新たな労使関係の構築については、労働組合との真摯な協議・交渉をおこない合意と納得を得ること。
(3)労働組合の団結と自治を破壊する組織介入、不当労働行為は一切おこなわないこと。また、所属労働組合による人事・給与、交渉、組合活動などへの差別的取り扱いをおこなわないこと。
(4)職員団体のための職員の行為の制限(国公法第108条の6)を廃止すること。
(5)公務員の政治的行為の制限を撤廃し、市民的権利を十全に保障すること。
(6)基本的人権である言論・表現の自由を守り、公務員の市民的・政治的自由を保障する観点から、国公法を改正すること。また、国民の目、耳、口をふさぎ、公務労働者の基本的人権を侵害する「特定秘密保護法」を直ちに廃止すること。
(7)評価制度について、短期の評価結果を給与等の決定に直接反映しないこと。また、評価結果は全面開示とし、苦情処理システムに労働組合の関与を保障すること。

以 上

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