扶養手当改悪を地方自治体に押しつけるな
= 公務労組連絡会地方公務員部会が総務省に要請 =
先の公務労組連絡会定期総会で発足が確認された「地方公務員部会」は8月16日、16年人事院勧告の取り扱いにかかわって、扶養手当の改悪などを地方自治体に押しつけないことなどを、総務省に申し入れました。
同時に、総務省が7月に設置した「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会」の運営をめぐって、自治労連や全教の意見が反映するように総務省に要請しました。
総務省のへの要請には、公務労組連地方公務員部会から自治労連の福島副委員長、熊谷賃金権利局長、全教の米田副委員長が参加し、総務省は公務員部の五月女給与能率推進室課長補佐と松田公務員課課長補佐が対応しました。
福島自治労連副委員長は、16年人事院勧告について、「3年連続の賃上げ勧告となったものの、極めて低額であるだけでなく、霞が関優遇の配分や配偶者にかかわる扶養手当の半減など、地方自治体にも大きく影響する問題点を持っている」と指摘し、地方自治体の立場を踏まえた取り扱いを求めました。
米田全教副委員長は、総務省の「研究会」に対して、臨時・非常勤職員の積極的な処遇改善にむけた検討を求めるとともに、自治労連や全教からのヒアリングを行い、職場実態や意見を反映するよう求めました。
これに対し、総務省として、意見を踏まえ検討すると応えました。
(16年人事院勧告の取り扱いに関する要請)
2016年8月16日
総務大臣
高市 早苗 様
公務労組連絡会地方公務員部会
日本自治体労働組合総連合
中央執行委員長 猿橋 均
全日本教職員組合
中央執行委員長 蟹澤 昭三
2016年人事院勧告の取り扱いに関する要請
貴職の地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
人事院は8月8日、政府と国会に対して2016年度の給与勧告等を行いました。勧告は、2016年春闘における民間賃金の引き上げ状況を反映し、月例給・一時金ともにプラス改定となりましたが、生活改善には到底結びつかない低額改定となりました。
さらに、財界による生活関連手当廃止の意向にそった配偶者に係る手当の減額、「成果主義」賃金を推し進める勤勉手当成績率の拡大、地域間や雇用形態による格差の解消に反する本府省業務調整手当増額や臨時・非常勤職員の処遇改善見送りなど、重大な問題点を持つものです。これらは、政府・与党が推進する「経済の好循環」「地方創生」にも自ら水を差すものと言わざるをえません。
人事管理に関する報告では、職員の年齢別人員構成の偏りという多くの地方自体にも共通の認識を示し、「働き方改革」をはじめとする諸課題に言及しました。長時間労働の是正等へ向けた取り組みの推進とともに、その前提として、人員配置の改善が必要です。
貴職におかれては、今後、地方自治体における人事委員会勧告の内容や取り扱い等について、地方自治の原則にのっとり、地方自治体の実情に即して行われる労使間の交渉・協議を踏まえた自主的な賃金・労働条件決定過程を尊重することなど、下記の通り要請します。
記
1.地方公務員の賃金・労働条件の決定にあたり、地方自治体の自主性・主体性を尊重すること。扶養手当制度の変更等、国家公務員賃金制度の画一的な地方自治体への押し付けは行わないこと。
2.「行革インセンティブ」として、財政措置を利用した賃金・労働条件切り下げの強制は行わないこと。
以上
(臨時・非常勤「研究会」についての要請)
2016年8月16日
総務大臣
高市 早苗 様
公務労組連絡会地方公務員部会
日本自治体労働組合総連合
中央執行委員長 猿橋 均
全日本教職員組合
中央執行委員長 蟹澤 昭三
地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の
任用等の在り方に関する研究会について(要請)
日頃より地方自治の発展にご尽力されていることに敬意を表します。
さて、総務省におかれましては2016年7月26日に「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会」を開催され、政府として「同一労働同一賃金」の実現を掲げられるなか、土屋正忠総務副大臣からは、法改正も含めた「時代に合った制度」の検討が研究会に求められおり、高橋滋座長からも、「労働形態、サービスが多様化するもとで、均等・均衡の視点を持って制度を考えていきたい」旨の発言がされたところです。
私たちは、長時間勤務・人員不足問題と待遇格差が広がる現状に対して、公務における臨時・非常勤職員及び任期付職員の勤務条件が抜本的に改善され、正規職員との均等待遇が図られると同時に、任期の定めがない常勤職員の拡充も合わせた抜本的な解決に結びつく議論を研究会に求めます。
つきましては、臨時・非常勤職員及び任期付職員の勤務実態等について、以下の項目を研究会にて反映されるよう要請します。
記
1.研究会において、日本自治体労働組合総連合および全日本教職員組合からヒアリングを行うこと。
2.研究会において、日本自治体労働組合総連合および全日本教職員組合から提出する資料を各委員に配布すること。
以 上
以上