2010年春闘における政府・人事院回答に対する
声明
2010年3月23日
公務労組連絡会幹事会
1、
2010年春闘において公務労組連絡会は、月額1万円の賃金底上げ、臨時・非常勤職員の「時給1,000円以上」への最低賃金の改善、初任給引き上げなど
の実現を求めて、政府・人事院との交渉を積み上げてきた。
本日、春闘期における最終回答が示されたが、その内容は、「官民較差にも
とづく適正な公務員給与の水準確保」(人事院)、「労働基本権制約の代償措置として、人事院勧告制度を尊重することが基本姿勢」(総務省)とするもので、
連年の賃下げのもとで切実さを増す賃金改善要求に具体的に答えない、きわめて不満な回答となった。
2、回答で
は、超過勤務を縮減するため実効性のある取り組み推進や、定年延長にむけた諸制度の検討、メンタルヘルスの増加もふまえた福利厚生基本計画の改善などが示
された。公務・公共サービスへの国民の期待に応えて、行政や教育の第一線で日夜奮闘する公務労働者が、働きがい、生きがいを持てる職場環境を実現するた
め、示された回答にも沿って、政府・人事院は全力をあげるべきである。
とりわけ、回答では、非常勤職員にかかわって、「日々雇用の
廃止」が言明された点は、不安定な雇用・勤務形態の解消へ一歩前進となるものであり、今後、具体的な制度改善にむけてすみやかな検討を強く求めるものであ
る。
3、労働者の雇用と暮らしは厳しさを増し、中小企業や商店の経営もいっそう困難となっている。公務労組連絡
会は、「賃上げでこそ景気回復を」の道理ある主張のもと、交渉では、民間労働者や地域経済にも影響する公務員賃金引き上げの重要性を明らかにしてきた。
同時に、「地域総行動」で地域に足を出し、膨大な大企業の内部留保の国民への還元を訴え、地元の商工業者などへの共感をひろげてきた。そうしたもと、過
日、鳩山首相が「大企業の内部留保への課税」に言及するなどの変化も見られた。引き続き、大企業の横暴をやめさせ、ルールある経済社会の実現にむけ、国民
共同の運動をひろげる決意である。
4、要求自粛のもとで、民間大手組合は今年もベアゼロで妥結し、定昇維持、昨
年を若干上回る一時金回答をもってして春闘の幕が引かれた。こうしたなかにあっても、全労連・国民春闘共闘に結集する民間労組は、回答の上積みを求めてね
ばり強く交渉を続けており、すべての労働者の賃金底上げへ、連帯したたたかいの強化が求められている。
公務労働者をめぐっては、独
立行政法人・公益法人を対象とした「事業仕分け」や、公務サービスの役割縮小、国の責任を放棄する「地域主権改革」に対するたたかい、それらと一体で、公
務員の労働基本権回復のたたかいが重要課題となっている。
公務労組連絡会は、たたかいを継続・強化し、職場の仲間たちの奮闘を力に
して、すべての労働者・国民の切実な要求実現へ全力をあげる決意を新たにするものである。